放射線にはα(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線、中性子線といった種類があります。私たちが健康診断に使うX(エックス)線も放射線で、これはγ線と同じ電磁波の一種です。これらの放射線は透過力(物を通過する力)に差があります。
アルファ線は1枚の紙で止まりますが、中性子線は厚い鉛板も通り抜けてしまい、水や厚いコンクリートで止まります。
放射性物質の持つ放射能は、時間とともに徐々に弱くなる性質があります。放射性物質の量が少なくなり、放射能の強さが半分になるまでの時間を半減期といいます。半減期は放射性物質によって長短の差があり、短いものでは100万分の1秒、長いものでは100億年以上と、その物質によって異なります。
例として、福島第一原子力発電所事故により放出されたセシウムの放射能の減衰割合を図で示します。
放射線や放射能は、人が直接感じることはできませんが、その強さや量を測ることはできます。そのときに使う単位は、下表のとおりです。
  | 単位 | 記号 | 解説 |
---|---|---|---|
放射線量に 関する単位 |
グレイ | Gy | 放射線が物質に当たったとき、その物質に吸収されるエネルギーを表す単位 |
シーベルト | Sv | 人体が放射線を受けたとき、その影響を表す単位 | |
放射能に 関する単位 |
ベクレル | Bq | 放射性物質の放射能の単位で、1 秒間に放射性崩壊を起こす(放射線を出して壊れる)原子核の個数 |