【注意喚起】犯罪収益移転防止法改正について(「送金バイト」に罰則等)
マネー・ローンダリングをめぐる近年の情勢を踏まえ、犯罪収益移転防止法が改正されました。主な改正内容は以下のとおりです。
1.預貯金通帳の不正譲渡等に対する罰則の引上げ(令和8年7月10日から施行)
2.「送金犯罪」に関する罰則の創設(令和8年7月10日から施行)
3.いわゆる「架空名義口座」を利用した新たな措置の創設(公布の日(令和8年6月10日)から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行)
改正の概要
1.預貯金通帳の不正譲渡等に対する罰則の引上げ
特殊詐欺の被害が急速に急増し、極めて深刻な状況にあります。これらの犯罪においては、預貯金通帳の不正譲渡等により得られた他人名義の預貯金口座等がその犯行やマネー・ロンダリングに悪用されています。
預貯金通帳の不正譲渡等の罪は特殊詐欺の前提となり得るため罰則が引き上げられました。

2.「送金犯罪」に関する罰則の創設
預貯金通帳の不正譲渡等により得られた他人名義の預貯金口座が使用される手口以外に、SNS等を通じて送金を代行するバイトを募集した上で、これに応募した者に対し、その者の預貯金口座等の使用・管理を継続させながら、その口座等に振り込ませた財産を別の口座等へ振り込ませるという新たな手口(いわゆる「送金バイト」)がみられます。
「送金バイト」を利用する行為は、実質的には他人名義の預貯金口座等を不正に利用する行為です。
この新たな手口は、あえて預貯金口座を他人から譲り受けないようにする ことで、既存の口座売買の罰則が適用されないようにする「脱法的行為」です。口座売買と同様にマネー・ローンダリングに加担するものであり、処罰の対象とする必要があるため、新たな手口を直接捕捉する罰則(送金犯罪)が新設されました。

○ 通常の商取引等正当な理由がないのに、 有償で、他人に対し、同人名義の口座を使用 させたまま、当該口座に振り込まれた財産を 別口座に移転するよう依頼する行為に対する 罰則を創設(※送金バイト実行役に対する罰則も創設)
○ 2年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 (業として行われるものについては3年以下 の拘禁刑又は500万円以下の罰金)
罰則の対象者は、
1. 他人に「送金犯罪」を依頼した者 (「送金犯罪」をするよう、広告等で他人を誘引した者も同様)
2. 他人から依頼を受けて「送金犯罪」を実行した者 (自分に「送金犯罪」を依頼するよう、他人を勧誘・誘引した者も同様)
3.「架空名義口座」を利用した新たな措置の創設
預貯金口座等の金融サービスが犯行や搾取金等のマネーロンダリングに悪用されている実態があり、預貯金通帳の不正譲渡等に対する罰則の引上げや「送金犯罪」に関する罰則の創設後も、預貯金通帳の不正譲渡等が行われる恐れがある。
預貯金口座等が犯罪に利用されることを防止するため、新たな措置として、
〇警察は金融機関等に対し、「犯罪利用防止措置用口座等」の開設等を求めることができる。
〇警察は預貯金通帳等の不正譲渡等をするよう勧誘等を行う者に対し、犯罪利用防止措置用口座等の通帳を渡すことにより、入金された財産の送金防止措置等を講じる。
〇警察本部長は、犯罪利用防止措置用口座等への財産の移転があった場合は、当該財産を保管し、当該財産の移転を行った者に対し、当該財産を返還する。
〇都道府県公安委員会は、犯罪利用防止措置用口座等に移転された財産であって、その返還を受ける権利が消滅したものを原資として、犯罪利用防止措置用口座等への財産の移転元となった預貯金口座等に財産を移転した詐欺等の被害者に対し、特定被害回復給付金を支給する。

関連リンク
警察庁「犯罪による収益の移転防止に関する法律の 一部を改正する法律案(概要)」
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更新日:2026年07月23日