【注意喚起】家庭における食中毒を防ぐ
春から夏にかけての季節は、気温や湿度の上昇に伴い、食材の保存や管理が一層難しくなる時期です。暖かくなると、細菌やウイルスの活動が活発化し、食中毒のリスクが高まります。特に、手洗いや調理器具などの衛生管理を怠ると、感染の可能性がさらに増加するため、食材の取り扱いや保存方法には一層の注意が必要です。
食中毒の発生状況
2021年から2025年における食中毒の発生状況についてみると、事件数に関しては、寄生虫による食中毒(41.6%)が最も多く、次いで細菌性食中毒(29.2%)、ウイルス性食中毒(21.2%)が続きます。
患者数については、ウイルス性食中毒 (58.3%)の割合が最も高く、次いで細菌性食中毒(32.4%)、寄生虫による食中毒(4.3%)となっています。
死者数については、毎年2~5名の報告があり、植物性自然毒によるものは、毎年 1~3名の発生が確認されています。
細菌性食中毒は原因菌が中温性(増殖温度域25~40℃)であることから、高温多湿の時期に多く発生します。
近年は温暖化の影響もあり、年間を通じて発生している病因物質も報告されています。
ウイルス性の食中毒は、特にノロウイルスによるものが大半を占めており、冬季において二枚貝の摂取増加とともに報告例が多く見られます。
寄生虫による食中毒は年間を通じて発生し、自然毒による食中毒は原因物質の採取や摂取が集中する時期に発生しています。
自然毒食中毒
死者数が毎年認められる自然毒食中毒のほとんどは、家庭内で起きています。植物性自然毒食中毒は、毒成分を持った有毒植物を食用と誤って摂取した食中毒です。具体的には、春にはトリカブト、ドクゼリ、イヌサフラン、スイセンなどの有毒植物や、ジャガイモの芽や日に当たって緑色に変色した部分を摂取して発症します。秋には、ツキヨタケ、テングダケ、クサウラベニタケなどの毒キノコの誤食による食中毒が報告されています。
ノロウイルス食中毒
ノロウイルスは、1968年、オハイオ州のノー ウォーク小学校の集団下痢症から発見されまし た。 サイズは直径約34nmの小型球形ウイルスで、ヒトの腸管のみで増殖します。感染は、10~ 100個程度のウイルス粒子によって成立します。感染経路は以下の通りです。
1.経口感染
汚染されたカキをはじめとする二枚貝や、感染者が調理した食品を介して感染します。
2.飛沫・空気感染
ノロウイルスを含む糞便や吐しゃ物を処理した手指を介して感染します。
3.環境汚染
ノロウイルスが付着したドアノブやトイレのレバー、シーツなどに触れた手指を介して感染します。近年では、調理従事者による二次汚染 が主な感染経路となっており、パン類、刻みのり、弁当などが原因となった事例があります。
潜伏期間は1~2日で、症状は激しい嘔吐、下 痢、腹痛を伴う急性胃腸炎です。
インフルエンザウイルスのようにエンベロープ(脂質性の膜)を 持つウイルスは、エタノールや石鹸などの界面活性剤で溶解されるため、アルコール消毒が有効です。しかし、ノロウイルスはエンベロープを持たないため、アルコール消毒の効果はほとんどなく、むしろ、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。
食中毒予防対策
食中毒の予防には、病原体の存在、増殖過程、 死滅条件を理解し、それに基づいた防止策を行 うことが重要です。
細菌性食中毒に対しては、「つけない」「増やさない」「やっつける」の三原則 を守ることが基本です。
一方、ウイルスは生きた細胞でしか増殖できませんので、予防法は手指の洗浄・消毒を励行し 「持ち込まない」「つけない」「やっつける」「広げない」の四原則を徹底してください。
家庭での食中毒予防には、食材の購入から食事の提供までの各工程で、食中毒三原則を意識して次の対策を行いましょう。
1.つけない(清潔)
手指はもちろんのこと、使用した調理器具の洗浄・消毒を行ってください。また、食肉や魚介 類のドリップ液による非加熱食品の汚染を防ぐため、清潔な容器に収納し、相互汚染を避けるようにしてください。
2.増やさない(低温管理と迅速な摂取)
細菌は、適度な温度、少量の栄養成分、わずかな水分があればどこでも増殖します。特に食中毒の原因菌は中温性であるため、危険温度帯 (10~60℃)を避けて保存することが重要で す。調理後は2時間以内に摂取し、やむを得ず保存する場合は、清潔な容器に入れて、速やかに10℃以下に冷やすか、65℃以上で保管してく ださい。
3.やっつける(加熱殺菌)
食品中に存在する多くの細菌は熱に弱く、加熱によって死滅させることが可能です。食中毒菌の存在を意識して、中心温度を75℃で1分以上の加熱を行ってください。ただし、芽胞菌や一部のカビの毒素には耐熱性のものがありますの で、まずは病原体を増殖させないようにしてください。ウイルス性食中毒に対しては、85~ 90℃で90秒以上の加熱殺菌が必要です。また、 加熱後は手指や調理器具からの二次汚染を防ぐことも心がけてください。カレーのような煮込み食品は、繰り返し加熱を行うことでウエルシュ菌による食中毒の危険性が高まります。 ウエルシュ菌の性質は嫌気性(酸素を必要とし ない性質)の芽胞(熱や乾燥、薬品に抵抗する胞子〈休眠細胞〉)形成菌のため、調理には浅い鍋を使用し、やむを得ず保存する場合は、加熱後速やかに冷却を行うことが必要です。
関連リンク
国民生活の消費者問題アラカルト「家庭における食中毒を防ぐ」(P.10~13)をご参照ください。
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茨城県消費生活センター︰029-225-6445
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日曜(電話のみ) 9時から16時まで
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この記事に関するお問い合わせ先
村民生活部 くらしの安全課 生活環境・空き家対策担当
〒319-1192 茨城県那珂郡東海村東海三丁目7番1号
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更新日:2026年06月29日