【とうかいまるごと博物館】村内の小学生が十数万年前の昆虫化石を発見しました!

更新日:2019年12月23日

村内の小学5年生が貴重な昆虫化石を発見!

令和元年5月12日日曜日に開催された,とうかいまるごと博物館事業「古代の東海村を調べてみよう!~地層剥ぎ取り体験~」の中で,村内の小学生が貴重な昆虫化石を発見しました。

発見されたシロテンハナムグリの化石
地層剥ぎ取り体験(露頭観察の様子)

化石を発見したのは村内在住の竹之内春輝さん小学5年生。
地層剥ぎ取り体験に参加し,体験の合間に付近の露頭を自由に観察していたところ,今回の化石が発見されました。見つかった化石は,生きているのではないかと見間違うほどでしたが,竹之内さんが粘土層に埋まったままの状態で講師の先生のもとへ届けてくれたので化石と認定することができました。

産出された化石

発見されたのは「シロテンハナムグリ」の化石種で,頭部・胸部・腹部が完全な状態で産出されました。
今回産出された化石は以下の7つの特徴が挙げられます。


1.角の丸い長四角形
2.黒緑色で金属光沢を有する
3.全長約24mm,全幅約13mm
4.頭部・胸部・腹部が完全な状態
5.殻表(体表)に白色の模様が散在状態で認められる
6.頭部の長さと幅はほぼ等しく,頭部の前縁が湾入する
7.左側の前肢・中肢・後肢は完全な状態(右側の肢は未クリーニングにつき未確認)

化石が見つかった地層は「茨城粘土層」と呼ばれ,上下の地層から現時点では12~13万年前頃の新生代第四紀更新世として扱っています。
なお,年代についての詳細は今後検証を進める予定です。

化石認定の根拠

下記2点の根拠から,このシロテンハナムグリを化石であると認定しています。


1.化石が産出した位置は,地表から深さ1m以上あり,現生のシロテンハナムグリが潜り込むことが不可能であること。
2.化石周辺部の年度を観察しても,粘土中に乱れが全く無く,行動の痕跡が認められないこと。

化石の今後の取扱い

今回産出したシロテンハナムグリの化石は,産出した地層の年代や古環境の解析と合わせ,DNA解析等を実施し,令和3年7月開館予定の(仮称)歴史と未来の交流館で展示を予定しています。

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