宇宙線ミュオンで古墳を透視プロジェクト!!
巨大古墳の謎に迫る?科学の力?その名も「歴史と未来の測定器」完成
令和5年4月からスタートした「宇宙線ミュオンで古墳を透視プロジェクト」では,東海村「舟塚古墳群2号墳」内部の埋葬施設を探るため,子どもたちと一緒にミュオン測定器の製作に挑戦しました。上半期の活動では,測定器作りに先立って,参加する子どもたちが宇宙線と古墳の知識を身に付けられるように,物理学と考古学の専門家を講師に迎えた講座や体験学習,J-PARC施設や村内古墳の見学会を行いました。
令和5年10月には,村内外の小中高生25名から構成される「ミュオンにコーフンクラブ」を立ち上げました。その後,子どもたちは,令和5年11月から令和6年2月にかけて,藤井 芳昭氏(J-PARCセンター ニュートリノセクション)を中心とする専門家チームの指導を受けながら,測定器の製作活動を月1回のペースで行い,古墳の内部探査に用いるミュオン測定器1台を無事完成させました。また,子どもたちの製作活動は,飯沼 裕美氏(茨城大学 理工学研究所(理学野))の下で物理学を専攻する大学生がサポートしてくれました。
測定器組立の様子1
測定器組立の様子2
令和5年度(第1期目)の締め括りとなる3月の活動では,田中 裕氏(茨城大学 人文社会科学部)に「古墳の形からわかること」というテーマでお話をいただきました。子どもたちは,古い時期から新しい時期にかけて,古墳の形がどのように変化したのかを学んだ上で,ミュオンで透視する舟塚古墳群2号墳の形について考えました。その後,完成した測定器で交流館に降り注ぐミュオンを測定し,令和5年度の全活動が終了しました。
ミュオンの信号を観察する様子
完成間近の「歴史と未来の測定器」
活動を終えた子どもたちからは,「物理に興味があり参加しましたが,歴史や古墳に興味が湧きました」「古墳が好きで参加しましたが,測定器やミュオンの凄さを知りました」などの声があり,本プロジェクトが掲げる「文系・理系という垣根を越えて,東海村から幅広い視野をもつ子どもを育成する」という目的に合致した成果が得られたと感じています。
測定器の名称については,子どもたちが考えた案の中から投票し,「歴史と未来の測定器」に決定しました。令和6年度(第2期目)の活動では,この測定器で舟塚古墳群2号墳の透視を開始し,巨大古墳を築いた権力者が眠る空間の謎に迫ります。また,新たに2台目の測定器製作を実施する予定です。今後もミュオンにコーフンクラブの活躍にご期待ください。
ミュオンにコーフン通信Vol.1
なお,本プロジェクトの概要や令和5年度の活動実績については,宇宙線ミュオンによる古墳調査会が刊行した「ミュオンにコーフン通信Vol.1」をご覧ください。こちらは,東海村歴史と未来の交流館にて無料配布しております。
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更新日:2024年04月10日