学芸員だより(第6号)あの日の学校へタイムスリップ

更新日:2025年06月24日

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あの日の学校へタイムスリップ

2025年6月24日

梅雨に入りましたが、いかがお過ごしでしょうか。

私たち学芸員は現在、この夏から始まる東海村発足70周年の企画展の準備に追われています。

さて、今、私はこの企画展のために、当館の理科活動専門員の安先生と一緒に東海村の全学校へ赴き、昔懐かしい「学校文化財」を調査しています。その中のいくつかを皆様にご紹介したいと思います。

まず、学校で一番楽しみな時間、それは…「給食」だったのではないでしょうか? 給食は、明治22年にお弁当を持ってこられない子のために山形県鶴岡市の私立小学校で始まったのが最初と言われています。戦後に入ると、アメリカからおくられた小麦粉を使ったパンと脱脂粉乳とおかずの完全給食が実施され全国に広がっていきました。

さて、みなさんの給食の食器はどんな食器でしたか? 写真1の銀色のアルマイト加工の食器を使った方も多いのではないでしょうか?アルマイト加工とはアルミニウムの表面をさびにくくする技術で、昭和4年に日本で開発されました。東海村では、平成に入ると、陶器の食器になりました。(写真2) 陶器のため、落とすと割れてしまいます。割ってしまったら、給食室へ行って調理員さんに「ごめんなさい」と謝りました。

アルマイト加工の食器

(写真1)アルマイト加工の食器

陶器の食器

(写真2)陶器の食器

オルガン

 

次にご紹介するのは、「足踏み式オルガン」です。

教室の中にあって、時には先生の机(教卓)にもなり、そして休み時間にもなると、覚えたばかりの「猫ふんじゃった」をエンドレスで弾く子ども達の様子が思い出されます。 また、学校の朝の会で、「今月の歌」を歌った方々はいるでしょうか? その時にはオルガンは先生の伴奏として使われました。

あの日の学校、あの日の教室、友人たちの笑顔、昇降口の喧騒、懐かしい日々が思い出されます。

「学校文化財」を見て、あなたはどんなことを思い出すでしょうか。

この夏、ぜひ歴史と未来の交流館で懐かしのあの日の学校へタイムスリップしてみませんか。

 (林 恵子)

 

参考文献

  • 村松小学校『村松小学校創立二十周年記念誌』2002年 村松小学校
  • 三浦基弘監修『昔の道具 うつりかわり事典』2015年 株式会社小峰書店

 

「学芸員だより」について

歴史と未来の交流館には、学芸員が常駐しており、調査や研究を日々行っています。

そんな学芸員から、知ったら誰かに話したくなる東海村に関する情報について、コラム形式で掲載しています!

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