(環境放射線監視季報第164報から)

東海村の環境放射線監視結果の概要

Ⅰ監視結果の評価

茨城県環境放射線監視計画に基づく、東海村の平成25年度第1四半期の短期的変動調査結果は、次のとおりです。

1.短期的変動調査(平成25年4月~平成25年6月)

東電福島第一原子力発電所事故の放射性物質放出の影響により、一部の空間ガンマ線量率が平常の変動幅を上回りました。同様に、大気塵埃及び降下塵からセシウム -137 などの放射性核種が検出され、さらに、原子力施設の排水からも、東電福島第一原子力発電所事故の放射性物質放出の影響による放射性核種が検出されました。

また、 J-PARC ハドロン実験施設における放射性物質の漏えい事故による影響と考えられる人工放射性核種として、大気塵埃からテルルー 121 、排気中からは水銀― 197 が検出されました。


Ⅱ監視結果の概要

1.短期的変動調査結果
(1)空間ガンマ線量率測定結果

県が東海村に設置している7地点のモニタリングステーションで測定した空間ガンマ線量率1時間値の3ヶ月間の平均値及び最大値を次の図に示します。県内98地点での月平均値は、39nGy / 時~280nGy / 時の範囲で、東電福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質放出の影響により、98地点中19地点において平常の変動幅(上限値は、100nGy / 時)を上回りました。

1時間値の最大値は原子力機構原科研の周辺監視区域境界で4月2日に測定した290nGy / 時でした。

 


空間ガンマ線量率

(2)原子力施設の排気中の放射能測定結果

排気中に含まれる放射性物質の測定は、原子力事業者が放射性核種分析、全ベータ放射能測定、全アルファ放射能測定を行っています。主要放出核種の放射性核種分析結果は、過去のレベル又はそれ以下でした。全ベータ放射能及び全アルファ放射能については検出されませんでした。

県内原子力施設のうち原子力機構原科研JRR-3など36排気筒において希ガス(41Ar, 85Kr など)、トリチウム(3H )など、各施設の放出核種を測定しています。それらのうち東海村内では、下表に示す5排気筒で放射性核種が検出されました。また JRR- 3排気筒で5月に発生した J-PARC ハドロン実験施設の放射性物質の漏えい事故による影響と考えられる水銀― 197 、原子力機構原科研燃料試験施設排気筒からコバルトー60が検出されましたが、コバルトとトリチウムについては、過去と同じレベル又はそれ以下でした。

この四半期における短期的変動調査としては、上記の他に大気中放射能、農畜産物中の放射能、海洋における放射能を測定した結果、東電福島第一発電所事故の影響により大気中放射能で放射性物質が検出されました。

 



排気中の主要放射性核種の管理目標値に対する割合


排気中の放射性核種分析結果(主要各種)

 

この四半期における短期的変動調査としては、上記の他に大気中放射能、農畜産物中の放射能、海洋における放射能を測定した結果、東電福島第一発電所事故の影響により大気中放射能で放射性物質が検出されました。