(環境放射線監視季報第152報から)

東海村の環境放射線監視結果の概要

Ⅰ監視結果の評価

茨城県環境放射線監視計画に基づく、東海村の平成22年度第1四半期の短期的変動調査結果は、次のとおりです。

1.短期的変動調査(平成22年4月~平成22年6月)

全般を通じて、原子力施設周辺環境の放射線および放射能レベルの異常は認められませんでした。また、原子力施設からの排気、排水中の放射能濃度等は、排出基準等を全て下回っていました。

2.長期的変動調査結果(6ヶ月毎)については、次回の季報第153報での報告になります。

Ⅱ監視結果の概要

1.短期的変動調査結果
(1)空間ガンマ線量率測定結果

県が東海村に設置している7地点のモニタリングステーションで測定した空間ガンマ線量率1時間値の3ヶ月間の平均値及び最大値を次の図に示します。県内76地点での月平均値は、28nGy/時~52nGy/時の範囲です。

東海村での1時間値の最大値は、原子力機構原科研が6月に周辺監視区域境界(MP-8)で測定した72nGy/時ですが、降雨による影響でした。

平常時の変動幅の上限値は、100nGy/時です。

空間ガンマ線量率

(2)原子力施設の排気中の放射能測定結果

排気中に含まれる放射性物質の測定は、原子力事業者が放射性核種分析、全ベータ放射能測定、全アルファ放射能測定によって行っています。放射性核種分析は、県内原子力施設のうち原子力機構原科研JRR-3、原子力機構サイクル工研の主排気筒など40排気筒において希ガス(41Ar,85Krなど)、トリチウム(3H)など、各施設の放出核種を測定しました。それらのうち東海村内では、下表に示す10排気筒で放射性核種が検出されましたが、過去と同レベル又はそれ以下でした。次に示した図は、施設ごとの管理目標値に対する3ヶ月平均濃度の割合を表したものです。また、全ベータ放射能及び全アルファ放射能については検出されませんでした。

原子力施設の排気中の放射能測定結果

排気中の主要放射性核種の管理目標値に対する割合

この四半期における短期的変動調査としては、上記の他に大気中放射能濃度測定、農畜産物中の放射能測定、海洋における放射能測定などを行いましたが、全て不検出でした。