東海村の原子力

東京大学大学院工学系研究科
原子力専攻(専門職大学院)

1.事業計画概要

東京大学は、平成17年度から工学系研究科内に原子力専攻(専門職大学院)(以下「本専攻」という。)と原子力国際専攻を設けて、社会人を含む専門職大学院教育と国際レベルの研究者養成を目的とした新たな研究教育ミッションの展開を行っています。既に約180名の原子力専門職修士を社会に輩出し、継続的な原子力専門職の教育を推進しています。併せて、本専攻は、大型装置を用いこれまで行ってきた原子力開発並びに放射線の利用に関する研究等の大学における原子力工学の総合的研究並びに大学院学生等の研究・教育も行ってまいります。また、日本原子力研究開発機構における全国大学共同利用に関する窓口業務についても、本専攻で行います。

本専攻の組織は、4講座、8管理部門及び事務室で教職員約60名、大学院学生等約60名で構成され、以下の設備を利用し、本専攻の専門職学位課程の教育に資するとともに、従来行ってきた全国の国公私立大学や研究機関等の研究者による共同研究の利用にも供してまいります。

また、年10回程度開催される「弥生研究会」を始め、国際シンポジウムやワークショップ等の開催を引き続き図り、種々の分野の研究者による活発な情報交換や討論を行ってまいります。

 
(1)高速中性子源炉「弥生」

40年間にわたる原子炉「弥生」の運転は、平成23年3月11日をもって終了いたしました。

平成24年8月に、廃止措置計画書が認可され、現在は、廃止措置中の原子炉となっています。平成28年度は、放射性同位元素使用施設の設備として排水配管を新たに敷設するための許認可手続きを進め、廃止措置作業を極力控えました。平成29年度には、まず、上半期に研究棟のホット配管の更新工事を実施予定しております。その後、廃止措置計画に基づく作業を再開することとし、原子炉で使用していた核燃料を取り出し、細かく切断する作業を原子炉室内で行い、切断された核燃料を、日本原子力研究開発機構殿(核燃料サイクル工学研究所殿)へ輸送する予定です。

弥生廃炉後、燃料があったスペースに、小型Xバンド(11.424GHz)電子ライナック中性子源を設置して、中性子科学工学の研究と教育を推進する新中性子源計画を推進中です。

(2)ライナック設備

震災後の復旧作業を完了して、平成24年度当初より、運転及び全国共同利用を再開しました。

極短電子パルス発生・計測、高品質レーザー電子銃等の量子ビーム工学に関連した研究をはじめ、フェムト秒高速量子現象研究設備・先進小型加速器群を活用して、放射線化学、原子の動画像化、高速シンチレータ開発、高温超電導体開発、医学物理の各種の実験研究を継続推進いたします。

(3)ブランケット設備

核融合炉開発に必要な材料工学、トリチウム工学、電磁構造力学等に関する研究を継続いたします。可搬型非破壊検査用ライナック(950keV、3.95MeV)・がん診断治療用小型高精度ライナック(6MeV、30MeV)の開発と利用を、産官学連携で推進します。特に橋梁検査用3.95MeVライナックは、管理区域外での実証試験が始まりました。また、過酷事故等に関するモデリング・シミュレーション技術を高度化するために、温度成層化現象を模擬するための熱流動試験を実施します。

(4)重照射研究設備

平成25年度にリプレースされたタンデトロン加速器(1.7MV)と、従来のバンデグラーフ加速器(3.5 MV)について、運転と全国共同利用を継続いたします。原子炉構造材料や核燃料材料の開発と評価、核融合炉材料開発のための重照射効果を主体とした金属材料の照射研究をはじめ、各種材料の照射による材料特性変化の研究や各種放射線検出器の開発等を継続いたします。世界でも稀有な高エネルギーイオン照射その場観察システムを用いた研究を推進します。

(5)国際原子力教育事業

原子力専門職大学院教科書・教材を英語化し、出版を進めるとともにとIAEAと連携した E-LEARNINGシステムの高度化を進めます。

Japan-IAEA合同原子力エネルギーマネージメントスクールを、平成24年度から継続的に開催してきております。平成29年度も、
原子力人材育成ネットワーク会議、日本原子力研究開発機構、日本原子力産業協会、原子力国際協力センター、日本原子力学会と
共催して実施する予定です。

2.安全協定第5条に係る新増設計画

なし。