
日本原子力研究開発機構は、我が国唯一の原子力の総合研究開発機関として、原子力により国民の生活に不可欠なエネルギー源の確保を実現すること、及び原子力による新しい科学技術や産業の創出を目指して、その基礎・基盤から応用・実用化までの研究開発を行うとともに、その成果等の普及を行い、もって人類社会の福祉及び国民生活の水準向上に寄与することを目的として設立されました。
原子力科学研究所(旧日本原子力研究所東海研究所)は、昭和32年7月に設置され、研究用原子炉、加速器、放射性物質を安全に取り扱える施設などの重要な研究施設を有しており、これらを活用して安全研究、原子力基礎基盤研究、中性子利用研究など原子力に関する多面的な研究開発活動を行っています。また、大型計算機施設、原子力情報に関する図書館、原子力研修センターなどの施設も有しており、人材育成や研究情報サービス等も行っています。
原子力エネルギーを安全に利用するため、発電用原子炉や核燃料サイクル施設(ウラン燃料加工施設、使用済燃料再処理施設など)、放射性廃棄物処分施設などの安全に関する研究を進め、得られた最新の科学技術的知見を基に国の安全審査指針等の策定などに貢献しています。
総合科学技術である原子力の研究開発を推進するための基盤を形成し、新たな原子力利用技術を創生するため、原子炉物理、原子核反応データ、核化学工学、核燃料工学、伝熱工学、材料工学、シミュレーション工学、放射線防護等の研究を行っています。また、原子力の可能性を求める創造的な先端基礎研究を行っています。
研究用原子炉JRR-3やJRR-4が発生させる中性子ビームを利用して、生体物質や機能材料の原子・分子レベルの構造と機能を解明する研究を行っています。平成20年12月からはJ-PARCの物質・生命科学実験施設が供用運転を開始し、中性子利用研究の一層の拡大、充実が期待されています。
JRR-4は、発生させる中性子ビームの医療応用として、外科的手術を適用できない悪性脳腫瘍等の治療法であるホウ素中性子捕獲治療法(BNCT法)の開発に利用されています。また、JRR-3は、ガン治療に用いられる医療用放射性アイソトープの製造や高性能シリコン半導体の製造に必要な中性子照射に利用されています。
原子力科学研究所には、高エネルギー加速器研究機構(KEK)と共同で建設した、世界最高レベルの大強度陽子加速器施設(J-PARC)が設置されています。J-PARCでは、産業応用への展開を目指す物質・生命科学研究、宇宙創生の謎に迫る原子核・素粒子物理研究、さらには放射性廃棄物処理処分のための核変換技術開発など、広範な分野で新たな研究開発の進展が期待されています。

大強度陽子加速器施設(J-PARC)
原子力科学研究所では、自然災害発生時や事故・トラブル発生時に的確な対応を図るため、体制や資機材を整備するとともに、訓練などを通じて対応能力の向上に努めています。
原子力事故に備え、放射線測定器、防護資機材を整備するとともに、通報連絡のために東海村消防本部への通報用専用電話を設置しています。また、火災に備え、施設には消火器、屋内消火栓、屋外消火栓を設置しています。消火栓が使えない場合に備え、消火用水を敷地内に確保しています。
自衛消防隊は24時間体制で中央警備室に常駐している警備員によって組織され、火災発生時には化学消防車等が出動し、初期消火活動を行います。
大規模地震の発生を想定した訓練や原子力災害を想定した非常事態総合訓練を毎年度実施するとともに、東海村消防本部等の防災関係機関と共同訓練を実施し、災害発生時の対応能力向上を図っています。

茨城県原子力総合防災訓練時の自衛消防